こんにちは、豆腐です。
転職活動において、企業があなたに最初に会うのは「書類」です。特に経理職の転職では、あなたの持つ専門知識や経験、そして何よりも「企業への貢献度」をいかに明確に、そして効果的に伝えるかが、書類選考突破の鍵を握ります。
「今の職務経歴書で、本当に自分の市場価値が伝わっているのかな?」
「面接まで進めないのは、やっぱり書類のせい?」
もしあなたが30代の経理パーソンで、そう感じているなら、それは決して珍しいことではありません。
なぜなら、経理という職種は、その仕事の特性上、具体的な「成果」を数字で示しにくい、と思われがちだからです。しかし、そこには大きな誤解があります。経理の仕事こそ、数字で語るべき成果が山ほど存在するのです。
現役経理として、僕自身も転職活動でたくさんの企業と面接をし、企業側がどのような人材を求める傾向にあるのか、多少は知識や経験を持っているつもりです。
書類選考を突破し、面接官が思わず「この人に会いたい!」と感じる職務経歴書や履歴書には、ある共通の「戦略」が存在します。
この記事では、あなたの経理経験を最大限に活かし、「市場価値」を飛躍的に高めるための、職務経歴書・履歴書の具体的な書き方を徹底解説します。単なる経歴の羅列ではなく、あなたの「強み」や「企業への貢献」を「数字」という共通言語で面接官に届け、書類選考突破、ひいては転職成功へと導くための実践的なノウハウを、僕の実体験も交えながらお伝えしていきます。
あなたの職務経歴書・履歴書を「会いたくなる」武器へと変革し、一緒に理想のキャリアを掴み取りましょう!
1. なぜ今、30代経理に『数字で語る』職務経歴書が必要なのか?

転職市場において、30代は「即戦力」としての期待が最も高まる年代です。特に経理職は、経験が重視される専門職ゆえに、あなたの「過去の実績」が何よりも問われます。しかし、単に経験を羅列するだけの職務経歴書では、書類選考を突破することはできません。
面接のチャンスを掴むためには、あなたの経理としての真価を、採用担当者に理解させる「戦略」が必要です。その鍵を握るのが、「数字で語る職務経歴書」なのです。
面接官が「会いたい」と感じる書類の秘密
採用担当者は、日々何十、何百という職務経歴書に目を通しています。彼らが求めているのは、「この人は、入社後にどんな価値をもたらしてくれるのか?」という一点です。多忙な採用担当者の目に留まるには、あなたの強みや貢献度を、わずか数秒で明確に伝える必要があります。
残念ながら、「仕訳入力」「月次決算業務」「伝票処理」といった一般的な業務内容の羅列では、あなたの「できること」は十分には伝わりません。なぜなら、それらは経理担当者なら誰もがこなす「当たり前の業務」だからです。
面接官が「会いたい」と感じるのは、単に業務をこなせる人ではなく、「この人は、会社の課題を解決し、具体的な成果を出してくれる人材だ」と予感させる職務経歴書です。
その「予感」を生み出す秘密こそが、あなたの「実績」を数字で具体的に示すことなのです。
経理の「成果」は『数字』でしか伝わらない理由
「経理の仕事って、具体的な数字で成果を語りにくい…」
そう思っていませんか? もしそうなら、それは大きな誤解です。経理業務は、まさに数字と直結する仕事であり、実は「成果」を数字で最も雄弁に語れる職種の一つです。
例えば、「月次決算業務を担当」と書くのと、「月次決算プロセスの所要時間を〇%短縮し、経営判断の迅速化に貢献」と書くのでは、相手に与える印象は雲泥の差です。
後者は、あなたが単なる作業者ではなく、業務改善を通じて企業に具体的なメリットをもたらした「貢献者」であることを明確に示しています。
数字は客観的で、誰にとっても共通の言語です。あなたのスキルや貢献度を具体的な数値で示すことで、採用担当者はあなたの能力レベルや業務への影響範囲を瞬時に把握できます。
曖昧な表現では伝わらない「あなたの価値」を、数字は最も力強く、そして説得力を持って伝えてくれるのです。
「できる経理」と「そうでない経理」を分ける視点
僕自身、現役経理として、社内のメンバーや協力会社の方と接する中で、「できる経理」と「そうでない経理」の違いを肌で感じています。この差は、職務経歴書にも如実に表れます。
* 「できる経理」の視点:
* 単なる処理だけでなく、その業務が会社全体にどう影響するかを常に意識している。
* 課題を見つけ、改善策を考え、実行し、その結果を「数字」で捉えている。
* 効率化、コスト削減、正確性向上、リスク低減など、具体的な貢献を意識している。
* 職務経歴書でも、これらの「貢献」を数字で明確に示せる。
* 「そうでない経理」の視点:
* 与えられた業務をこなすことに終始し、その先の目的や影響まで深く考えていない。
* 「いつも通り」で、業務改善や効率化への意識が低い。
* 職務経歴書では、業務内容の羅列に留まり、具体的な実績や貢献が見えてこない。
2. 『市場価値』を最大化する!経理職向け書類作成の基本戦略

職務経歴書や履歴書は、単にあなたの経歴を羅列するものではありません。
これらは、あなたの**「市場価値」を最大限にアピール**し、企業に「この人材は、自社にこんな貢献をしてくれる」と確信させるための、重要なビジネス文書です。
ここでは、書類選考を突破し、あなたの市場価値を最大限に引き出すための基本戦略を、現役経理の視点からお伝えします。
職務経歴書・履歴書の基本構成と、選ばれるフォーマット
まず、職務経歴書と履歴書、それぞれの役割と、採用担当者が読みやすいフォーマットについて理解しておきましょう。
■履歴書:あなたの「人となり」と「基本情報」を伝える顔
履歴書は、あなたの氏名、連絡先、学歴、職歴(簡潔に)、資格、志望動機、自己PRなど、基本的な情報を網羅的に伝える書類です。面接官は、ここからあなたの**「人となり」や「キャリアの概略」**を把握します。
* ポイント:
* 手書き vs. PC作成: 企業からの指定がなければPC作成が一般的です。手書きは丁寧な印象を与えますが、時間がかかる上、読みにくいと逆効果になることもあります。
* 写真: 清潔感があり、表情が明るいものを選びましょう。可能であれば、スピード写真ではなく写真館で撮ってもらうことをお勧めします。写真の出来栄えは段違いです。
* 空欄を作らない: 趣味・特技なども、仕事に繋がる要素があれば積極的に記載しましょう。
■職務経歴書:あなたの「ビジネススキル」と「貢献度」を語る武器
職務経歴書は、あなたのこれまでの職務経験、実績、スキルを具体的に記述する、最も重要な書類です。企業はここから、あなたが**「即戦力として何ができるか」「どんな成果を出してきたか」**を判断します。
* 選ばれるフォーマット:
* 編年体式: 時系列に沿って職務経歴を記述する最も一般的な形式。キャリアの変遷が分かりやすいです。
* 逆編年体式: 最新の職務から遡って記述する形式。直近の経験やスキルを強くアピールしたい場合に有効です。
【現役経理的実践ポイント】
「直近の経験やスキルをいち早くアピールできるため、逆編年体式が最も良いとされています。 採用担当者も読み慣れています。もしあなたが特定の会計システム導入や業務改善プロジェクトに深く関わった経験があり、それを強くアピールしたい場合は、各職務にポイント欄を設け、そのプロジェクトをハイライトするのも有効です。」
採用担当者が書類で「最も注目する」ポイントとは?
採用担当者は、職務経歴書を読む際に、いくつかの「チェックポイント」を持っています。
特に30代の経理職に求められるのは、以下の点です。
* 1. 経験業務の範囲と深さ:
* 月次・年次決算、税務申告、資金管理、原価計算、監査対応など、どの業務にどの程度関わってきたか。
* 単独で担当したのか、チームの一員として関わったのかなど、責任範囲の明確さ。
* 2. 実績と貢献度(数字):
* 前述の通り、最も重要です。業務改善によるコスト削減額、効率化率、決算早期化日数など、具体的な数字で示されているか。
* 3. スキル(会計ソフト、PCスキル、語学など):
* 使用経験のある会計システム(SAP、Oracle、弥生会計、freee、OBICなど)やERPシステムの名称。
* Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル、マクロなど)やPowerPointの習熟度。
* 英語力(TOEICスコアや実務での使用経験)。
* 4. 課題解決能力・改善提案力:
* 単に業務をこなすだけでなく、課題を発見し、改善策を提案・実行した経験があるか。
* 「なぜその改善を行ったのか」「結果どうなったのか」が具体的に書かれているか。
* 5. 転職理由・志望動機の一貫性:
* なぜ現職を辞めたいのか、なぜこの会社に入りたいのかが論理的で、かつポジティブに書かれているか。
これらのポイントを意識して書類を作成することで、あなたの「市場価値」は飛躍的に高まります。
転職理由・志望動機は「ネガティブ」ではなく「ポジティブ」に
職務経歴書や履歴書で多くの人がつまずきやすいのが、「転職理由」と「志望動機」です。ここをいかにポジティブに、そして一貫性を持って伝えるかが、面接への道を切り開く鍵となります。
■転職理由:過去の不満ではなく「未来への展望」を語る
「残業が多すぎた」「人間関係が悪かった」「給料が安かった」…これらは本音かもしれませんが、そのまま伝えるのはNGです。採用担当者は、「また同じ理由で辞めてしまうのではないか」と懸念します。
* ポイント:
* 現職で得た経験やスキルを活かし、さらに成長したいという意欲。
* 現職では得られない経験やスキルを、貴社でなら得られるという期待。
* キャリアプランの実現のために、新たな環境を求めているという前向きな姿勢。
例えば、「現職では〇〇の経験を積めましたが、より幅広い業務に挑戦したいと考えた際、○○といった理由でどうしても叶わないことがわかりました。自分の専門性をさらに高めていきたく、特に貴社の〇〇事業における経理の役割に魅力を感じ…」といった形で、前向きな理由に変換しましょう。
■志望動機:企業への「貢献意欲」と「フィット感」を伝える
志望動機は、「なぜこの会社で働きたいのか」「この会社で何ができるのか」を伝える最も重要な部分です。企業のホームページを読み込んだり、IR情報をチェックしたりして、深く企業研究を行いましょう。
* ポイント:
* 企業理念や事業内容への共感: 企業のどこに魅力を感じたのか、具体的に記述する。
* 自分のスキル・経験がどう活かせるか: 自分の強みが、その企業でどのように貢献できるのかを具体的に示す。
* 入社後に何をしたいか: 漠然とした目標ではなく、具体的な業務内容やキャリアプランに触れる。
【現役経理的実践ポイント】
「私が志望動機を書く際に大切にしていたのは、その企業を徹底的に調べることです。新卒サイトや会社の評判が載っているサイト、上場企業であれば財務諸表などを調べ、そこに自分が経理として、どう関わり活躍できるかを考えます。
つまり、『企業が抱えるであろう課題』と『自分がその課題をどう解決できるか』をリンクさせることです。例えば、『貴社が今後〇〇事業を強化される中で、経理部門として〇〇の経験が活かせると考えております』といった形で、具体的な貢献意欲を示すと、より説得力が増します。」
3. 【実践編】あなたの経理実績を『数字で魅せる』具体的な書き方

前章で「なぜ数字で語るべきか」を理解いただけたかと思います。いよいよ、あなたの経理実績を面接官に響く「数字」へと変換する、具体的なテクニックを実践していきましょう。
経理の仕事は一見、成果を数字で表現しにくいと感じるかもしれませんが、実はあなたの日常業務の中に「数字で魅せる」ヒントは確実に隠されています。
「業務内容」を「成果」に変える!数字を見つける5つの視点
あなたのこれまでの業務内容を思い出し、以下の5つの視点から「数字」を探してみてください。単なる「やりました」ではなく、「その結果どうなったか」「会社にどのような良い影響を与えたか」に焦点を当てることが重要です。
視点1: コスト削減・利益貢献(販管費の削減を含む)
経理はコストセンターと思われがちですが、間接的に、あるいは直接的にコスト削減や利益貢献に繋がる業務は多く存在します。販管費の見直しなどもこれに該当します。
- 例:
- 経費精算ルールの見直しにより、年間〇〇万円の無駄な経費を削減。
- 〇〇システム導入により、残業代を含む人件費を年間〇〇万円抑制。
- 遊休資産の洗い出しと売却を提案し、〇〇万円の売却益を計上。
視点2: 業務効率化・時間短縮
日常業務の改善は、経理の大きな成果です。時間をどれだけ短縮したか、作業工数をどれだけ削減したかを明確にしましょう。
- 例:
- Excelマクロ導入により、月次決算書の作成時間を〇時間短縮(〇%効率化)。
- 経費精算システムの導入により、処理時間を〇〇%短縮し、ペーパーレス化を〇〇%実現。
- 固定資産業務フローの見直しにより、年間所要時間を〇〇時間削減。
視点3: 正確性向上・リスク低減
経理にとって正確性は命です。ミスの減少やリスクの回避も立派な成果です。
- 例:
- 〇〇システム導入支援により、入力ミス率を〇〇%改善し、手戻り工数を削減。
- 税務調査で指摘事項ゼロに貢献(過去と比較して、予防策や対応力をアピール)。
- 内部統制の強化により、不正リスクを〇〇%低減。
視点4: 改善提案・新規導入
新しいシステムやプロセスの導入に貢献した経験は、あなたの積極性と課題解決能力を示します。その結果として得られた効果を数字で示しましょう。
- 例:
- 〇〇会計ソフトの導入プロジェクトリーダーとして参画。導入後、〇〇(部門名)の業務工数を年間〇〇時間削減。
- 電子帳簿保存法対応プロジェクトを推進し、書類保管コストを年間〇〇万円削減。
- 新たな管理会計レポートを提案・作成し、経営層の意思決定速度を〇日向上。
視点5: 規模・責任範囲
携わった金額の規模、管理した人数、関わったプロジェクトの大きさなども、あなたの経験値を測る重要な指標です。
- 例:
- 売上〇〇億円規模の子会社の月次・年次決算を主担当として担当。
- 〇〇人規模の経理チームで、〇〇業務の指導・教育を担当。
- 〇〇億円の資金繰り計画・管理を担当し、適切なキャッシュフローを維持。
【例文つき】面接官の目を引く職務経歴書・自己PRの具体例
上記の視点を踏まえ、あなたの職務経歴書や自己PRで使える具体的な例文を見ていきましょう。「NG例」と比較することで、いかに「数字で語る」ことが重要かを感じてみてください。
【ポイント】STAR(STAR)メソッドを意識する
- S (Situation / 状況): どんな状況でしたか?
- T (Task / 課題): どんな課題がありましたか?
- A (Action / 行動): その課題に対し、あなたがどう行動しましたか?
- R (Result / 結果): あなたの行動の結果、どうなりましたか?(ここに数字を入れる!)
〜例1:月次決算業務の効率化〜
- NG例: 「月次決算業務に従事。仕訳入力から試算表作成、報告書作成まで一連の業務を担当。」 → これでは「業務内容」しか伝わらず、あなたのスキルや貢献度は不明確です。
- OK例: 「【月次決算業務の効率化】
- 状況/課題: 当社では月次決算の報告資料作成に毎月約40時間を要しており、経営層への情報提供が遅れる課題がありました。
- 行動: 複雑なデータ集計・加工を効率化するため、Excel関数とマクロを組み込んだテンプレートを独自に開発し、導入を推進しました。
- 結果: 結果、報告資料作成時間を約20時間(50%)短縮することができ、経営層への情報提供を毎月3営業日早めることに貢献しました。」 → 具体的な課題、あなたの行動、そして「時間短縮」という数字で成果が明確に伝わります。
〜例2:システム導入と業務改善〜
- NG例: 「新しい経費精算システムの導入プロジェクトに関わった。」 → 何を、どの程度関わったのかが全く分かりません。
- OK例: 「【経費精算システム導入による業務改善】
- 状況/課題: 紙ベースの経費精算により、申請・承認・仕訳入力に多大な時間とコストが発生していました。
- 行動: 新規経費精算システムの導入プロジェクトに経理担当者として参画。要件定義、システムベンダーとの調整、社内ユーザーへの説明会実施、運用マニュアル作成まで一貫して担当しました。
- 結果: 導入後は、年間約150時間の経理部門の業務工数削減と、月間約300枚のペーパーレス化を実現。コスト削減だけでなく、従業員の申請負担軽減にも貢献しました。」 → 担当範囲の広さと、コスト・ペーパーレス化という具体的な数字での成果が明確です。
〜例3:自己PR(経理職向け)〜
- NG例: 「私は真面目で責任感があり、経理の仕事に正確に取り組みます。」 → 多くの人が書く内容で、あなたの「個性」や「強み」が伝わりにくい表現です。
- OK例: 「私の強みは、数字の正確性への徹底したこだわりと、常に業務改善を追求する主体性です。現職では、支払業務における手作業での照合作業を見直し、自動照合システム導入を提案・実現しました。これにより、月次の手作業時間を約10時間削減し、支払いミス率を0.1%から0.02%へ改善することができました。この経験と、課題解決への意欲を活かし、貴社の経理部門において、さらなる効率化と正確性向上に貢献したいと考えております。」 → 具体的な行動と、時間短縮やミス率改善という数字で強みを裏付けています。
〜その他:資格(日商簿記、税理士など)や語学力を『即戦力』としてアピールする方法〜
取得した資格や語学力も、単に羅列するだけでなく、それが業務でどう活かせるか、どんな貢献ができるかを具体的に示すことで「即戦力」としての価値が高まります。
✔ 資格:知識を「実務」に結びつける
- NG例: 「日商簿記1級取得」
- OK例: 「日商簿記1級で培った高度な会計知識を活かし、現職では連結決算業務の効率化プロジェクトに参画。特に税効果会計の複雑な処理の見直しを行い、決算早期化に貢献しました。」
→ 資格が単なる知識ではなく、実務でどのように役立つかを示しています。
✔ 語学力:コミュニケーション能力とグローバル対応力を示す
- NG例: 「TOEIC 〇〇点」
- OK例: 「TOEIC 〇〇点(Listening〇〇点/Reading〇〇点)の英語力を有しており、現職では海外子会社との英語でのレポーティング業務を主担当として担当。月次の業績会議では英語での進捗報告も実施し、クロスボーダー案件の円滑な進行に貢献しました。」
→ スコアだけでなく、実際の業務での活用シーンを具体的に記述することで、よりリアルな即戦力としてのアピールになります。
4. これだけは避けたい!30代経理の職務経歴書・履歴書『NG例』

これまで、あなたの経理経験を「数字で魅せる」具体的な方法を解説してきました。しかし、どんなに素晴らしい実績やスキルを持っていても、書類作成における基本的な「NG例」を知らずにいると、せっかくの努力が水の泡になってしまうことがあります。
現役経理として、僕自身も転職活動において職務経歴書を何度も書いた中で、「これはわかりづらかったな」「これでは評価しづらかったな」と感じることがありました。ここでは、特に30代の経理パーソンが陥りがちな、書類選考で評価を下げてしまう『NG例』と、その理由を解説します。
単なる「やることリスト」に終わっているケース
これは、最も多く見られるNG例であり、同時に最ももったいないケースです。 「月次決算業務」「年次決算業務」「伝票仕訳」「入出金管理」…といった業務内容を羅列するだけで、終わっていませんか?

「入出金管理」「固定資産管理」「決算補助」と羅列するだけ。
まさに僕です。
✔ なぜNGなのか?
- あなたの「価値」が伝わらない:
経理担当者であれば誰もが経験する業務内容を並べただけでは、あなたのスキルレベルや、会社にどのような貢献ができるのかが全く伝わりません。面接官は「この人は、うちの会社で何ができるんだろう?」と疑問符を抱きます。 - 他の応募者と差別化できない:
競合する他の候補者も同じような業務経験を記載してきます。その中で、具体的な成果が示されていなければ、あなたの書類は埋もれてしまい、選考に残ることは困難です。 - 主体性が見えない: 業務内容の羅列は、指示されたことをこなす「受け身」の姿勢と受け取られがちです。30代に求められるのは、主体的に業務に取り組む姿勢と、課題解決能力です。
前章で解説したように、あなたの「業務内容」を「成果」に変える視点、そして「数字」を使って具体的に表現することを徹底しましょう。
専門用語の多用で『伝わらない』文章になっている
経理職は専門性が高いため、業界特有の専門用語や社内用語が多いのは仕方がありません。
しかし、職務経歴書でそれを多用しすぎるのはNGです。
✔ なぜNGなのか?
- 読み手を限定してしまう:
書類選考を行うのは、必ずしも経理部門の人間だけではありません。人事担当者や、あるいは経理に詳しくない役員が最初に目を通すこともあります。彼らが理解できない専門用語ばかりだと、あなたの実績やスキルが正しく伝わらず、「分かりにくい書類」という印象を与えてしまいます。 - コミュニケーション能力が低いと判断される可能性:
専門知識を持つことは重要ですが、それを他者に「分かりやすく伝える能力」もビジネスにおいては非常に重要です。専門用語を多用しすぎることで、「この人は、相手に合わせて説明する能力が低いのでは?」と評価されるリスクがあります。
✔ 改善策
- 原則として、専門用語は避けるか、必ず簡潔に説明を加える。
- 部署やプロジェクト名などの社内用語は、必ず正式名称と一般的な説明を併記する。
- 重要な会計用語は、その業務の「目的」や「会社への影響」を一般のビジネス用語で表現する。
- 例:「FVPL会計の適用」と書くのではなく、「投資有価証券の時価評価を通じて、連結決算の透明性を向上」といったように、その業務が会社にもたらした影響を伝えます。
誤字脱字、日付ミス…『凡ミス』が評価を落とす理由
「まさか、そんなことで落ちるはずがない」と思うかもしれませんが、これが意外と大きな落とし穴です。誤字脱字や日付の記入ミス、計算ミスなどの「凡ミス」は、経理職の応募者にとっては致命的になりかねません。
✔ なぜNGなのか?
- 経理職に最も求められる「正確性」への疑問:
経理の仕事は、数字を正確に扱い、細部まで注意を払うことが何よりも重要です。その基本中の基本である書類でミスがあるということは、「この人は、経理の仕事でも正確性に欠けるのではないか?」という強い懸念を面接官に抱かせます。 - 仕事への「丁寧さ」や「真剣さ」の欠如:
応募書類は、あなたが企業に対して提出する最初の「成果物」です。そこにミスがあるということは、仕事に対する丁寧さや、今回の転職活動への真剣度が低いと判断されてしまう可能性があります。 - 他の応募者との差がつく決定打:
僅差で迷っている候補者がいる場合、このような「凡ミス」が、あなたを選考から外す決定打になることは珍しくありません。
✔ 改善策
- 複数回のセルフチェック:
完成したら時間を置いて、何度も読み返しましょう。 - 第三者のチェック:
友人や家族、転職エージェントなど、信頼できる人に最終チェックを依頼しましょう。 - ツールを活用:
Wordなどのスペルチェック機能や、文章校正ツールを積極的に活用しましょう。 - 提出前の最終確認:
日付、署名(必要な場合)、写真の貼り忘れなど、提出前に再度チェックリストを作り、確認しましょう。

凡ミスで落ちるなんて悔しすぎますよね。
書類は第三者の目も使い、しっかりと見直しましょう。
5. まとめ:書類で『会いたい』と思わせ、理想の転職を掴み取ろう!

今回は、30代の経理パーソンが転職を成功させるために不可欠な、30代経理が『市場価値』を最大化する職務経歴書・履歴書戦略について解説しました。
記事を通して、以下の重要なポイントを理解いただけたかと思います。
* 単なる経歴の羅列ではなく、あなたの「市場価値」を最大限に引き出すことの重要性。
* 経理業務の「成果」は、具体的な「数字」で表現することで、最も効果的に伝わること。
* コスト削減、業務効率化、正確性向上、改善提案、そして規模や責任範囲といった多角的な「数字を見つける視点」。
* STARメソッドを用いた具体的な「例文」で、あなたの実績を魅力的に伝える方法。
* そして、書類選考で評価を下げてしまう「NG例」を徹底的に避けることの重要性。
職務経歴書や履歴書は、あなたのこれまでのキャリアの集大成であり、未来への第一歩を切り開くための大切な「武器」です。
多忙な日々の中で書類作成に時間を割くのは大変だと感じるかもしれません。
しかし、ここで戦略的に時間を投資することは、あなたの転職活動の成否を分ける、非常に価値のある投資となります。
書類を通じて、あなたのスキルや経験だけでなく、「課題解決への意欲」「主体性」「会社への貢献意欲」を最大限に伝えましょう。それこそが、採用担当者が「この人に会って話が聞きたい!」と感じる、最大の要因となるのです。
今日からあなたの職務経歴書・履歴書を「数字で語る」戦略的なツールへと変革し、自信を持って転職活動に臨んでください。
あなたの市場価値を最大限にアピールし、理想とするキャリアを掴み取ることを心から応援しています!一緒に頑張りましょう!
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